当社秘蔵の名車をご紹介するこのコーナー、第2弾は・・・・・・
「AMGジャパン正規物!!AMG 560SEC 6.0 4V ワイドバージョン」
AMGといえば、今でこそメルセデスAMGとしてダイムラーグループのスペシャル/高性能モデルの製作部門となっているが、そもそもは完全に外部のメルセデス・チューナーのひとつだった。
ダイムラー・ベンツの2人のエンジニアが会社を飛び出し、チューニング、レースを始めたのがAMG社の成り立ちで、大量生産では決してできない手作業による入念なチューンや作り込みの良い仕上がりが当初のAMGの魅力だった。
そんなAMG第一世代の頂点とも言えるのがこのAMG560SEC 6.0 4Vワイドバージョンである。
一目見ただけで、只者でないのがお分かりいただけるエクステリア、フロント、リア、サイド、トランクにはAMGオリジナルのエアロ/スポイラーが取り付けられ、一時期はこのキットをノーマル車に取り付けた”AMGルック”が爆発的に流行した。
窓枠サッシ、バンパーのモールなどを車体と同色に塗りこめ、「キラキラじゃないのに超高級」を演出したのもこの頃からの手法、そしてなんと言っても目を引くのは6.0 4Vの中でも、ワイドバージョンにのみ与えられたF8.5J 235/45ZR17とR10J 265/40/ZR17の専用アルミホイールを覆うブリスターフェンダー!
このボディワークこそがこの車をひときわ特別なものにしているのは間違いないだろう。因みに当時のこれらの注文装備の価格はボディ同色ペイントが60万円、ワイドボディ(4Vは標準、2Vのみオプション)で240万円だ。
しかしそのボディワークも結果でしかない、そう、この車のボンネットの中にはAMGオリジナルの6リッターDOHCエンジンが積まれている。
メルセデス製M117型V8をベースに6リッターへとスケールアップさせるだけでなく、シリンダーヘッドを完全オリジナルでDOHC4バルブとしたもので、設計には英国のエンジンチューナー、コスワース社が携わってる。
決して大量生産メーカーではないAMGにとって、自社製エンジンの生産は社運を賭けたものだったが、その高い完成度とパフォーマンスによりAMGは単なるチューニングメーカーとは一線を画す存在となり、ついにメルセデスからも一目置かれるブランドとなった。
その後、モデル末期にはメルセデス製M119型DOHCエンジン(500SLなどに搭載)のシリンダーヘッドを搭載した6.0-4Vも生産されたが荒々しいフィーリングと、ヘッド上面にAMGの文字が誇らしげに刻印されたシリンダーヘッドを搭載したモデルの方が人気が高いのも納得できる。
実際にAMG製ヘッドのものはアイドリングからわずかな振動が発生し、いかにもチューニングカーらしいフィーリングだったが、メルセデスヘッドのモデルは実にスムーズで、「物足りなさ」を感じるという声も聞かれた。
走行感はまさにノーマルとは別物で、中低速の圧倒的トルクとAMGの強化サスペンションによる豪快な走りを実現、ワイドなタイヤはそのパワーをしっかりと受け止め、荒々しく野性味あふれるこれぞチューニングカーという乗り味が楽しめる。
内装ももちろんAMG特製、各パネル類には、ドアポケットまでも高価なルートウッドをふんだんに使用しており、300km表示ホワイトメーター、ステアリングホイールをはじめ、レカロ電動レザースポーツシート(注文価格2脚で120万円)など最高の装備が奢られている。
そして当店秘蔵のこの車両、AMGジャパン正規輸入車(この年わずか3台のみ販売)の実質2オーナーで最初のオーナーからすべて当社で把握している車両です。
新車発売から数年後、AMGでリコールが発生した際、(DOHCエンジンをSOHC用のボンネットの中に押し込んでいた為、左側バンクのシリンダーヘッドの一部がブレーキパイプに干渉する恐れがあるとの内容)東京のAMGジャパンから店長さん自ら積載車で引き取りにみえられ、東京の工場にて完全にエンジンを降ろして対策品パイプに交換、納車という事もありました。
長期間保管していた為、燃料タンク内部にガソリンの腐食が発生、燃料タンクと燃料ポンプを新品に交換してあります。
走行距離はなんと13,900km
もう本当にこんな素性のはっきりした車体はみつからないのではないでしょうか。
AMGに負けない存在感をお持ちのお客様、是非ご覧ください。
(保管の都合上、普段はしまってありますので、ご覧になりたい場合は前もってご連絡ください)